ファミコン冒険ゲームブック ドラゴンクエスト2 悪霊の神々(下)



双葉文庫 ファミコン冒険ゲームブックシリーズ
ドラゴンクエスト2 悪霊の神々(下)

昭和62年(1987年)9月1日発行
著:樋口明雄 画:伊藤伸平


(上巻のエントリーはこちら)


無事に合流して船を手に入れ、大海原へと繰り出した御一行。世界中を駆け巡り、紋章などの重要なアイテムを集め、ロンダルキアへ向かい、ハーゴンと対決し、破壊神シドーとの最終決戦に臨む。



カギをはじめとしたアイテムの入手先や旅の扉による移動などは、原作ゲームの内容をわりと忠実に再現している。アレフガルドにある竜王の城が今では観光地になっているという愉快なアレンジもある。


しかし、船による移動がとにかく面倒くさい。ひたすら「北へ行く・東へ行く・西へ行く・南へ行く」の選択肢をしらみつぶしで進めていくので、はっきり言って苦行に近いものがある。ものぐさな私は心が挫けました。


そんな私のやる気を絞り出してくれたのは、ムーンブルクの王女マリアちゃんの麗しい御姿です。
では、美しい王女様と従者2名の戦いぶりをごらんください。
















船上で琴を片手に美しい歌声を響き渡らせるマリアちゃん。







呪文で悪魔神官を撃退する逞しいマリアちゃん。







スイカみたいなスライムを見て呆気にとられるマリアちゃん。







最強呪文「ギラギラギラギラ、ベッカンコ!」を編み出したマリアちゃん。







風のマントを装備して塔から飛び降り、スライムにスカートの中を覗き見られて恥じらいを見せるマリアちゃん。







モンスターの宴会に遭遇し、飲み比べ勝負をすることになった御一行。ここではマリアちゃんの意外な一面が明かされる。文章の一部を書き起こしてみました。


ぼくらは、必死に酒を飲んだ。が、怪物どもは、情け容赦なくお代わりを注いでくる。もちろん、怪物どもも飲んでいる。
♪そら飲め、やれ飲め、たんと飲め
みんなで酔おうよ、ぐんぐんぐん
朝まで酔おうよ、でんでんでん♪
三杯目あたりから、視界がクルクルと回り出した。意外にも平気な顔をしているのは、マリアだ。
お前、酒豪だったのか?」クッキーが、青ざめて言った。
「あら、失礼なこと言わないで」こともなげにそう言い、彼女は十杯目を一気に飲み干した。


ぼくは気持が悪くなり、へばってしまった。が、マリアがベホマの呪文を唱えてくれたおかげで、何とか復活した。だが、もう酒を飲むどころじゃない。それどころか、見るのさえいやだった。
一方、クッキーは何とかもちこたえている。しかし、身体が左右に揺れているところを見る
と、かなりダメージを受けている様子。それにくらべて、マリアは平然と二十杯目を飲んでいる。(なんなんだ? この娘は




というように、凄まじい酒豪っぷりを発揮してくれるのだが、一方、サマルトリアの王子クッキーは……


「だいたいなァ、俺たちだけでハーゴンを倒せなんて、無茶なんだよな」クッキーがスカルナイトの肩に手をかけ、わめいている。
「人類みな兄弟。ハーゴンだって、俺たちのまた従兄弟ぐれえのものよ。なあオイ。わははは。ところで、おめえ。へんな顔してるなあ。何か俺に文句あるのか?」
こいつ、からみ上戸だったのか。
相変わらず平気で飲み続けるマリアはともかく、ぼくの酒は当然ペースが落ちていた。が、クッキーはますます盛んに注いでいる。自分で酒のビンを持ち、手じゃくをしているありさまだ。大丈夫なんだろうか?


完全に酔っ払ったぼくとクッキー。マリアはそんなぼくらをズルズルと引きずって、街に入っていった。
「しっかりしなさいよ。ほら、もうリリザの街よ」
「それがどしたってんでえ。俺は王子さまだど。泣く子も黙る、サルマタ城のクッキー様よ。ガーッハッハ」
「サルマタ城じゃなくて、サマルトリアでしょ? ほら、しゃんと立って! 街の人が見ているわよ」
「街の人ォ? てやんでえ、もっと酒持ってこい!」




このように、マリアとは対照的に凄まじい酒グセの悪さを露呈する。なお、飲み比べ勝負で負けるとサルマタ王子の末路はこのようになる。


「はがーっ!」
突然、クッキーがぶっ倒れた。青ざめた顔で、大の字になっている。
「がーっはっは。ロトの勇者も、たいしたことないのう」怪物どもが笑った。
ぼくは彼を抱き起こしてみた。
死んでる……
急性アルコール中毒だ。大変なことになった。早いとこどこかの街の教会に行かなければ。マリアといっしょに彼を担ぎ上げ、ぼくらは走りだした。




ところで、このゲームブックにおける3人の年齢は何歳くらいなのだろうか。おそらく、今だったらこういう展開はムリだろうな。






やたら痛々しいバッドエンドは今回も健在。ハーゴン城で悪魔のヨロイを見つけ出し、さっそく装備すると……



そして、ぼくの今のエネルギーは、この“悪魔のヨロイ”の持つ呪いの力に打ち勝てなかった。
クッキーやマリアが見ている前で、ぼくはガックリと膝をついた。ふたりは何とかヨロイを外そうとした。が、呪いがかかっているこれが、人の力で外せるわけはない。
そうなんだ。これこそ、憎きハーゴンがぼくらに用意した、恐るべき罠だったんだ。だが、それを知った時はすでに遅かった。ぼくは全身のエネルギーをすっかり抜き取られ、ミイラとなって、横たわった。やがて、そのむくろから、ちっぽけなぼくの魂が抜け出ていった。
クッキー、マリア。あとは頼んだぞ。
                 END




このように、選択肢を間違えるとあっさりバッドエンドになるというスリル満点、極悪仕様のゲームブックである(DQにかぎらず、当時のゲームブックはこんなのばっかりだったような……)









今となっては稚拙な絵に見えるかもしれないが、当時としては可愛らしいタッチの絵柄であり、同時期に出たコレとかソレとかのイラストと比べれば、伊藤伸平先生の絵は十分に実用に耐えうるクオリティだったのだ。その節は大変お世話になりました。


後に刊行されたエニックス版のゲームブックと比べると、こちらの双葉文庫版は他作品のパロディーや宴会シーン等のコメディー的な要素が多いのだが、文章から伺えるキャラクターの個性が今ひとつ弱く、全体的に洗練されていない感じがある。だが、少なくとも挿絵の質はこっちの圧勝だ。マリアちゃん可愛いよマリアちゃん、ギラギラギラギラ、ベッカンコ!


※ちなみに「ギラギラギラギラ、ベッカンコ」の元ネタはアニメ「ジャングル黒べえ(藤子・F・不二雄原作)」である。
ジャングル黒べえ OP ED(動画リンク)




可愛い可愛いぼくらのマリアちゃんを描いてくれた伊藤伸平先生をみんなで応援しよう。

伊藤伸平オフィシャルホームページ

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