ファミコン神拳 奥義大全書 特別編 キム皇のファミコン神拳110番



ファミコン神拳 奥義大全書 特別編 キム皇のファミコン神拳110番
集英社 1987年4月25日発行


前巻「ファミコン神拳 奥義大全書 巻の四 ドラゴンクエストII」よりもさらに踏み入った攻略記事を載せている。が、何よりも興味深いのは制作スタッフの座談会だ。ドラクエIIの開発秘話・没ネタも語られている。





(要約)

キム皇 ゲームの発売と大人気! まずは、おめでとーございます。さっそくですけど、それぞれ自己紹介と、どんな仕事をしたか、みんなに教えてあげてちょっ!

堀井(雄二) 堀井です。ゲームのシナリオを担当しました。町や城、ほこら、フィールドのデザイン、コマンドなどの決定と、ストーリーを考えました。A4の5ミリ方眼紙で、厚さ15cmも原稿を書きました。

宮岡(寛) 宮岡です。シナリオのアシストをやりました。ダンジョンや塔のデザインをしたのは、私です。

キム皇 日本で今、一番恨まれている人だな。「くっそーっ! まーた落とし穴に落ちちゃったよーっ。」とかさ(笑)

中村(光一) 全国のみなさん、悪いのはぜーんぶ、この宮岡さんでーすっ。(笑)プログラム担当の中村です。今回のプログラムチームは、すごく大人数だったので、統括とゆーか、チーフプログラマーで、ディレクターとゆー感じでした。

安野(隆志) 安野でーす。グラフィックの方を担当しました。鳥山先生の原画を、ファミコンの画面に入れたのが、ぼくです。



堀井 ゲームの中で言えば、パーティになった分、いろいろ考えましたね。最初は慣れないだろうから、だんだん増やしていったほうが、わかりやすいんじゃないかとかね。

宮岡 あと同じように、一人のときがキツイとか、いろんなバランスを考えて、変更をくり返しました。最初、サマルトリアのお城は湖の洞窟のところにあったのですが、近づけちゃいましたね。

中村 ちなみに、そのときは銀のカギはあの小島にあったんです。サマルトリアから、ムーンブルクへ渡るローラの門のところに、分れ道があるでしょう。あの小島です。

堀井 ラーのかがみも、最初は風の塔にあったのですが、ほらあの塔のてっぺんの宝箱に入ってたんです。でも風の塔は3人じゃないとキツイので、変更しました。

宮岡 プログラムの都合で入らなかったものも多くて、残念でした



安野 一番大きかったのは、ストーリーや場所を説明する、一枚絵が全然入らなかったこと。ゲームの取扱い説明書の6ページに、ローレシアの城の中の絵があるでしょう。王様とか王子様とかいるやつ。あれが実は、画面写真なんです。あんな絵が10枚くらい入る予定だったんですけどね。

堀井 エンディングも、舞踏会とか考えていたんだけどねー。全然入らなかった。

宮岡 怪物もへったし、逃げる階段のダンジョンとかもなくなった。





取扱説明書より、これがゲーム内で挿入される予定だった画像である。これ以外の絵も入れる予定があったとのことだが、果たして、今もチュンソフトの倉庫の中で、日の目を見なかった画像が入ったフロッピーディスクが眠っているのだろうか。

また「最初、サマルトリアのお城は湖の洞窟のところにあった」と宮岡が発言しているが、実はDQIIのサントラレコードのジャケット裏面にその開発中の画像が掲載されている。
画像の直リンはできないので、下記のブログエントリーをご参照あれ。DQIIをプレイしたことがある人なら、どの部分に開発中画像が紛れ込んでいるか簡単に分かるはず。


スノー・レコード・ブログ
テレビゲームのサウンドトラックのレコード ~ ドラゴンクエスト2
http://blog.snowrecords.jp/2013/07/blog-post_18.html






鳥山明のインタビューも掲載されているが、下記の発言に注目。


鳥山 いやー、やっぱり怪物の種類が多くて、それがいちばん大変でした。でもねー、デザインといっても、まるっきし白紙の状態から考えるわけじゃなくて、大まかなアイデアを届けてもらってるからね。モンスターのアイデアは宮岡さんが作ってくれたのだけど、よくできていたので、意外と楽チンでしたよ。




「Wii版 ドラゴンクエストI・II・III」の特典である「お宝資料集」の中に、設定資料の一部として、モンスターのラフ絵と説明文が収録されているが、これを描いたのはおそらく宮岡寛かと思われる

(もちろん堀井が描いた可能性もあるが、説明文の筆跡が堀井と異なる。ただし確証はない)



ギガンテスのラフ絵。鳥山が描いたデザインとほとんど変わらない。
つまり、ダンジョンマップの製作だけではなくモンスターデザインにおいても、宮岡は重要な役割を担っていたということですね。裏方の目立たない功績をちょっと掘り下げてみました。







すぎやまこういちインタビュー。右下に見慣れない中年のイラストが描かれているが、当時はこういう髪型だったんですよ。




ドラクエファンで千田幸信の名前を知らない人はモグリだ。エニックス(現スクウェア・エニックス)の取締役であり、かれこれ30年もの長きに渡ってドラクエのプロデューサーを務めている立派な御方である。ほとんど表舞台に出てこないので顔を知らないのは仕方がないが、この機会に覚えましょう。

安野さんは中村光一の同級生で、チュンソフトの創立スタッフ。ドラクエ1から6まで、CGデザインを担当した御方である。今もなお親しまれているファミコン版のドット絵キャラの大半は、彼によって生み出されたのだ。それにも関わらず、全く名前が知られていない。というのも、表に出たがらない人なんだよね。でも、名前だけでいいからこの機会に覚えましょう。









にっくきアイツを見つけるヒント「ひとつ目。町の中にいます。ふたつ目。ドラゴンクエスト(I)のガライの墓を思い出してちょ。つまり、どこかで暗やみの壁を押すわけだぜっ! 3つ目。金のカギも持ってないのに、どうやってペルポイから抜けだしたのかなっ?」

プレイヤーに自分で考えさせる余地を残した良いヒントですね。しかしアイツは牢屋の中で隠れて何をしていたのだろう。看守には見られたくないことをしていたのか。







アトラス・バズズ・ベリアルを含むほぼ全てのモンスターが網羅されているが、後半のモンスターは事情により姿を見せられないらしい。なぜかブリザードはOKでフレイムはNG。






『ドラゴンクエストI』や『ポートピア連続殺人事件』の攻略法も掲載されている。
これはDQIのモンスター一覧だが、よーく見て下さい。「ダースドラゴン」が「ダー“ク”ドラゴン」になっているが、おそらく誤植ではない。元々は「ダーク」だったのだが、容量削減のために“ク”の文字を削ったため、ゲーム内では「ダース」になったそうである。
でも「ダース」のほうがなんとなく強そうな気がする。きっとドラゴンが12匹合体するとダースドラゴンになるんだよ。







ページ数を稼ぐためかどうかは知らないが、キム皇の自己紹介記事が無駄に充実している。「キムちゃんとかミヤ王とかって、本当にいる人なの?」「ミヤ王、ゆう帝、キム皇はペンネームだけど、本当に仕事してる人だぜっ。実在の人物だよ。」とのことだが、一体誰なんでしょうね。







「ウィザードリィ2」でレベル2752、HP15197まで上げたというキム皇の自慢。ご丁寧に画像まで載せているが、決して書籍を私物化しているわけではない。やりこみの楽しさを子供たちに指南しているのだ。








駆け足で紹介したが、製作者の対談記事は一級の歴史的資料。キム皇こと木村初さんに感謝、感謝。

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