ドラゴンクエスト完全攻略本 ファミリーコンピュータMagazine編
- 2015/02/28
- 22:00


ドラゴンクエスト 完全攻略本
徳間書店 1986年9月30日発行
DQIの発売から約4ヵ月のちに刊行された、ファミマガ編集部による攻略本。「完全攻略」を銘打っているだけあって内容は完全である。完全すぎてゲーム本編をやる必要がないと思えるほどの出来である。なお、エニックスが出版事業に参入し、公式のガイドブックが刊行されるのはこの2年後となる。

登場人物一覧。左のやたら短い剣を持っている男、おまえは誰だよ。おれの知ってる勇者ロトと違うぞ。

モンスターの一覧には変身後の竜王まで掲載されている。ちなみに後に出たエニックスの公式ガイドブックでは姿が伏せられている。まあ、ソフトのパッケージイラストにもきっちりと描かれていますけど。

町の人々の気になるセリフも網羅している。これでカニ歩きの距離を減らすことができるね。

ほとんどのプレイヤーは、城にいる光あれジジイでMPを回復してゴールドを節約していたので、ラダトームの宿の存在意義はこれだけである。

ほぼ全ての展開がネタバレされているが、最もプレイヤーを悩ませた太陽の石のありかだけはヒントのみ。

マル秘クイズを解くとガライの墓の入口が分かるぞ!
(ちなみに墓の入り口は普通に攻略記事に載っている)

巻末には楽譜まで掲載されている。オープニング・城・街・エンディングの4曲。
巻末には折りたたみ式のマップも付属。すべてのダンジョンの階段と宝箱の位置が載っており。プレイヤーには階段の上下のつながりを把握する作業しか残されていない。
この攻略本があればトントン拍子でクリアできるな、サクッと終わらせてエンディングを堪能するぜ……と思いきや、エンディングの光景やスタッフクレジット、The Endの文字まで画像が掲載されている。もはや編集による嫌がらせとしか思えない。
プレイヤーのやることをほとんど奪ってしまったこの書籍は、エニックスに訴えられても仕方がないレベルで壮絶にネタバレしており、攻略本というより、既にクリアしたプレイヤー向けの回想本と言ったほうが的確なのであった。
見よ、これには勇者ロトもお怒りである。自らの力で困難に立ち向かわず、すっかり攻略本に頼りきっているふがいない子孫の姿を目の当たりにして、怒り心頭、激おこぷんぷん丸である。

だからお前は誰なんだよ。