'88年3月 広告批評 堀井雄二インタビュー “もう一つの人生”の共同製作者です



広告批評 1988年3月号

“もう一つの人生”の共同制作者です 堀井雄二
 (要約)


広告批評 記事リンク


'87年7月 広告批評 特集ファミコン大研究 (1) 堀井雄二✕糸井重里
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'87年7月 広告批評 特集ファミコン大研究 (2) 鳥山明・すぎやまこういち・中村光一インタビュー
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'87年7月 広告批評 特集ファミコン大研究 (3) 高橋源一郎・鴻上尚史・いとうせいこう
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'88年3月 広告批評 堀井雄二インタビュー “もう一つの人生”の共同製作者です
http://dragonquestage.blog.fc2.com/blog-entry-12.html

『広告批評』主宰者 天野祐吉が語るドラゴンクエスト
http://dragonquestage.blog.fc2.com/blog-entry-13.html









――あなたの専門分野の言葉に、いま一番かけていると思うのはどんなことですか。


堀井 テレビゲームの中の言葉って、微妙なニュアンスが出しにくいんです、割合。みんな紋切型のキャラクターだから。そのほうがわかりやすいからなんだけど、やっぱり文章でダラダラ表現されても、みんな読みませんよね、うっとおしくて。二、三行でピチっとやらなきゃならないから、その分どうしても紋切型になる。いまは逆に、その単純さが受けてるみたいですけどね、みんな、行間を読みとってくれてるみたいで。


僕、マンガの原作もやってますが、テレビゲームの原作とマンガの原作では、違いよりも共通している部分のほうが大きいような気がする。マンガも、ようするに絵の中の吹き出しに台詞を書くわけでしょう。あの吹き出しは、そんなに大きくできないんですね。だから、やっぱり心理描写をえんえんとするわけにはいかない。一言で感じを表したり、性格を表さなきゃならないんです。


だけど、いずれそれも古くなってくると、もうひとつプラスアルファがいると思うんです。いまはゲームの数が少ないからいいんですけど、今後ゲームがいろいろと進化していったとき、例えば文芸作品なみのストーリーをつけたら、やっぱりいまのままじゃ表現できない部分が出てくるでしょう。そうなると、新しい表現方法を考えなきゃいけないんじゃないか。出てくるかどうかはわからないけれど。僕ですか? 僕はわりとエンターテイメントが好きなんで、どうしてもそっちに走っちゃうんですけど。


僕が「ドラクエ」を作る前に考えてたのは、コンピューターゲームって暖かみに欠けてると思ってたのね。相手がコンピュータなんだからこそ、暖かくしなきゃならないんじゃないか。で、けっこう苦労した。そうですね、感情があるとか、みんなそのことをよくとってくれて、うれしいんですけど。


ゲームを暖かくしたのは、やっぱり人びとの台詞でしょうね。たとえば死んでしまったとき、王様に「しんでしまうとはなにごとだ」って怒られるのは、なぐさめられるより暖かいと思うんです。あの状況では。そのへんの微妙なところ、うまく説明できないけれど、この文章冷たいなって台詞は避けるようにしてる。あと、やっぱり自分に呼びかけてくれるというのは大きいんじゃないかな。でも、そのあたりみんなわかってきたみたいで、他のゲームを見ても最近は台詞に気を使っているものが多いですね。




――いまのお仕事のなかでやっている言葉の冒険や試みがあったら教えてください。


堀井 よりドラマチックに、より自由度を広げるというか、やりたいことがなんでもできるようなゲームにしたいと思っている。「3」でも、すでにパーティーアタックというのがあるんですね。いままでは怪物にしか戦いをいどめなかったけど、今度は仲間同士も戦える。戦えるといっても、戦闘中に仲間がラリホーで眠らされちゃったら起こせるとか、メダパニという頭の混乱する呪文をかけられたときに、ラリホーをかけて眠らせるとか、そういうことですけど。


次をやるとしたら、「別にオレは最終目的はいいんだ、この世界でひたすら暮らしたいんだ」そんな楽しみ方もできるゲームにしたいです。魔王を倒すって目的があっても、その目的は放っといて、なにか商売ができるとか、オレはとてもじゃないけど魔王を倒すことはできない、でもちょっとしたロマンスがあって結婚して、子供を作って、その子供に望みを託すとか。(笑)そうなると、とんでもないゲームになっちゃいますけど。





ドラゴンクエストIII発売直後に掲載されたインタビュー。

注目すべき点はちょっとしたロマンスがあって結婚して、子供を作って、その子供に望みを託すとか。(笑)という発言だろう。親子3代にわたる壮大なストーリーにつながる構想が、この時期に既にあったということですね。

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